蓄膿症

蓄膿症(ちくのうしょう)
副鼻腔炎

蓄膿症(ちくのうしょう)・副鼻腔炎

この病気は、昔「ちくのう」といわれていました。正確には、副鼻腔炎(ふくびくうえん)といいます。顔の骨の、副鼻腔という部分に炎症が起こって、膿が溜まったり、粘膜が腫れたりします。原因となるのはかぜが多いです。やはり、かぜは万病の元ですね。また、アレルギー性鼻炎も原因になります。
副鼻腔と、鼻腔(鼻の中)はつながっています。病気でその通路がつまってしまって、副鼻腔の粘液や膿が鼻の中に排出できなくなると、副鼻腔炎が起こります。
急性の状態の時には、発熱したり、顔面の激痛を伴うこともあります。脳外科を受診して、MRIを撮影して見つかることもあります。

慢性になると、痛みはあまりありませんが、後鼻漏といって鼻のうしろから膿がのどに流れてタンがたくさん出ることがあります。また、ハナの中に鼻茸(はなたけ)というポリープ(粘膜がはれて大きくなったもの)ができて、鼻づまりの原因になります。重症になると鼻茸が鼻の穴の入り口に出てきたり、鼻が詰まって口でしか呼吸ができなくなったりします。口臭もひどくなります。
診断するには、まず視診で鼻の中の状態や、のどの状態をよく観察し、確定するには頭のX線検査をします。この際に副鼻腔の部分に影があれば異常です。また、慢性の場合、鼻茸がありますと、見ただけでわかります。
治療は、現在ではほとんど内服剤療法です。内服期間は軽いものだと1~2週間で、慢性、重症なら数ヶ月です。
もちろん、手術療法もあります。鼻茸のみ切除する。副鼻腔との交通路をきちんと開く。などです。数十年前に行われていた局所麻酔で顔の骨をノミで削り、粘膜を摘出するタイプの手術は、現在ではほとんど行われていません。現在では、全身麻酔で内視鏡を使って手術しています。患者さんの肉体的負担は以前よりは少なくなっています。
その他、外来での外科的治療では、鼻の穴から副鼻腔に太い針を刺して副鼻腔を洗浄する治療(これは、急性のひどい炎症には効果的です)があります。しかし、一般開業医ではほとんど行われていません。当院でも行っていません。大学病院などでは行われています。
当院では、主に内服治療を行っています。内服剤を工夫し、また時には点鼻薬を使いながら治療しています。手術が必要な方は、総合病院の耳鼻科に紹介しております。
痛い治療は、昔の話です。耳鼻科を怖がらずに「鼻」の具合が悪いときには、お早めに「こさい耳鼻咽喉科」にご相談ください。