中耳炎

中耳炎

中耳炎

耳鼻科といえば中耳炎というぐらい耳鼻科では多い病気です。さて、よくある急性中耳炎は何が原因でおきるのでしょうか?「耳に水が入る。」ちがいます。正解は「鼻水が、鼻の後ろ側やのどの上の方から耳の奥に逆流して起こる。」です。正確には、「上咽頭」という場所から「耳管」という管を細菌が逆流して中耳に感染しておこります。
中耳炎には、痛みや発熱を伴う「急性化膿性中耳炎」と、痛みをほとんど感じない「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」があります。他に、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、癒着性中耳炎、などあります。

「急性化膿性中耳炎」についてお話しましょう。上にも書いたように、上咽頭からの細菌感染によっておこります。はじめの症状は、耳の痛みです。小さいお子様だと、突然機嫌が悪くなったりします。ひどくなってくると発熱したり、ますます痛くなって泣きわめいたり。鼓膜が自然に破れて膿が出たりします。膿が出ると痛みがおさまります。親御さんたちはこのころお子様の耳の入り口が膿で汚れていることに気づき、病院に連れておいでになります。お家で、急に泣き出したり、痛がったり、発熱したら、まず鎮痛剤を飲ませたり、痛みや熱を抑える座薬を使ってください。
治療は、内服薬を使うやり方と、外科的治療に分けられます。内服剤で重要なのは抗生物質です。外科的治療とは「鼓膜切開術」という手術です。手術といっても、外来で鼓膜の表面を麻酔して、鼓膜を切開します。切開する時には従来は、専用の金属製のメスを使っていましたが、当院では「レーザーメス」を使っています。レーザーメスは直径1ミリから3ミリの正円形を鼓膜に開けられます。鼓膜の裏側にたまっている膿を確実に排出させられます。鼓膜切開術は、一般的に嫌がられることが多いですが、中耳炎で鼓膜の裏側に膿がたくさん溜まっていて発熱、痛みがある場合は、薬を飲むよりも早く治ります。
「膿瘍」といって、膿がたまっている状態では「切開排膿」することが治療の基本です。
もうひとつの中耳炎は、「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」です。この中耳炎は痛みがほとんどありません。このため、自分で訴えることのできない小さなお子様はご両親に気付かれないとわからないことが多いです。もし、両方の耳が悪ければ難聴に気付いたご両親に連れてきてもらえますが、片耳だけの場合は、耳鼻科で偶然見つかることが多いです。
この中耳炎は、耳鼻科の専門医でなければ正確な診断ができませんし、治療も病態に応じてさまざまです。とにかく、見つけなければなりませんから、小さなお子様は2~3ヶ月に1回くらい耳掃除においでください。
小さなお子様が反復する中耳炎になりますと、頭の骨の耳の後ろの部分にできなければならない空洞の発育が非常に悪くなります。このような場合は、鼓膜の裏側にいつも空気のある状態を保たなければなりません。このため、チューブという治療器具を使う必要があります。
中耳炎という病気は、かぜでハナの調子が悪くなるのが原因で起こります。耳が悪くなったからハナが悪くなったのではありません。
かぜをひいて、ハナの調子が悪くなったら耳鼻科へというのは、中耳炎を見つかりやすくするという意味もあるのです。
かぜをひいたらまず「耳鼻科」です。
中耳炎の治療は こさい耳鼻咽喉科 にお任せください。